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2007年02月21日(水) 20時59分

イラク・北朝鮮で連携確認 安倍・チェイニー会談朝日新聞

 安倍首相は21日、来日中のチェイニー米副大統領と首相官邸で会談した。北朝鮮の核問題をめぐる6者協議で今後も日米が連携することを確認したのに加え、副大統領は「日本の拉致被害者の悲劇の解決も共通の課題だ」と述べ、拉致問題で日本に協力する姿勢も強調した。また自衛隊のイラクやインド洋派遣など、米国が続ける「テロとの戦い」に対する日本からの協力を評価した。首相は今後も支援を続ける姿勢を示した。

チェイニー米副大統領(左)と握手する安倍首相=21日、首相官邸で

 首相は会談冒頭、「日米は価値観を共有するパートナーだ。両国の同盟は揺るぎなく、かけがえのない関係で、アジアと世界のための日米同盟になっている」と述べた。副大統領は「地球規模のテロとの戦いは重要だ」と応じ、イラクへの米軍増派に理解を求めた。

 北朝鮮の核問題について副大統領は「日本は6者協議で米国の重要なパートナーだった」と述べた。首相が拉致問題の重大さを強調したのに対し、副大統領は「深い理解」を示したという。拉致問題の進展がなければエネルギー支援に応じないとの日本の方針に理解を示したとみられる。

 また首相と副大統領は中国の「不透明で急激な軍拡」を懸念し、衛星破壊実験のような宇宙作戦能力の向上を注視するとの立場で一致した。

 首相は地球温暖化については「最大の(温室効果ガス)排出国である米中が参加する国際的枠組みを作っていきたい」とも述べたが、副大統領からこれに対する応答はなかったという。

 これに先立って麻生外相も副大統領と会談し、「北朝鮮の非核化に向けて具体的措置を引き出すには圧力を続けなければならない」と述べ、米国に北朝鮮への制裁の継続を要請した。

http://www.asahi.com/politics/update/0221/012.html