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2007年02月21日(水) 16時45分

乳がんリスク、出産未経験なら2倍 初潮・肥満も関係朝日新聞

 乳がんと生理、体格などとの関連を調べていた厚生労働省の研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)は21日、「初潮が早い」「背が高い」女性ほど、がんのリスクが大きいという分析結果を発表した。「出産経験のない」女性にも乳がんが多く、こうした傾向は、欧米の研究とも一致した結果という。

 対象としたのは、全国10府県の40〜69歳の女性5万5000人。研究班は90年と93年に、対象者の体格や出産経験などを聞き、約10年間にわたって追跡調査した。

 その結果、閉経前の女性では、初潮を迎えた年齢が「14歳未満」のグループは、「16歳以上」に比べ乳がんのリスクが4倍だった。閉経した年齢でみると、「54歳以上」が「48歳未満」の2倍だった。研究班によると、女性ホルモンの分泌が影響している可能性があるという。

 また、出産経験のない人は、ある人に比べてリスクが1.9倍だった。子どもが多いほど、がんになっている女性が少なかった。

 身長でみると、「160センチ以上」が「148センチ以下」に比べ、閉経前で1.5倍、閉経後で2.4倍だった。栄養状態などが関係しているとみられる。閉経後の女性では、体格指数(BMI)が高く太っているほどがんが多かった。

 がんセンターの岩崎基・ゲノム予防研究室長は「自分で意識して避けられるリスクは肥満。ほかの要因は自分で管理できないので、定期的に乳がん検診を受け、早期に発見してほしい。今後は個人ごとにリスクを判断できるシステムづくりを考えたい」と話している。

http://www.asahi.com/life/update/0221/005.html