英国防省は20日、イラク南部の治安を管轄する駐留英軍が、南部一帯の拠点であるバスラのイラク陸軍師団に対する指揮権をイラク政府に移譲したと明らかにした。英軍現地司令官は「イラクの自立に向けた重要な出来事だ」と述べた。
駐留英軍は先週、バスラを中心に約4カ月にわたった武装勢力の掃討作戦を終了、治安は比較的安定した。これを受けイラク側に指揮権を移す機は熟したと判断したとみられる。
ブレア首相は18日、BBCのインタビューで、駐留英軍の規模を近く縮小する考えを示していた。21日付のガーディアン紙は08年に全軍を撤退させる方針だと伝えている。
駐留英軍は昨年、陸上自衛隊が駐留したサマワを州都とするムサンナ州など2州の治安権限をイラク側に移譲。北大西洋条約機構(NATO)軍の主力としてアフガニスタンに展開している英軍にとってイラク駐留の負担は重く、英軍高官からも早期撤退を求める声が上がっていた。