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2007年02月21日(水) 20時24分

全国2位の多選市長 8選の蕨市長が引退表明 埼玉朝日新聞

 埼玉県蕨市の田中啓一市長(80)は21日、8期目の任期が満了する5月末で引退する意向を表明した。全国市長会によると、8選市長は全国でも大阪府貝塚市の吉道勇市長の10選に次ぐ。この日あった定例記者会見で「高齢なので、身をひきたい」と話した。

 田中氏は市議を経て75年に市長に就任した。以来、連続8期、32年間市政を担当している。

 蕨市は市域が狭く、全国有数の人口過密都市。田中市政の特色は地域作り、市民同士の交流促進に力を入れたこととされる。各地域に早くから公民館を整え、近年の小型コミュニティーバスも人気だ。

 近隣の川口、鳩ケ谷両市との3市合併が争点だった前回の市長選では、市民の高齢化が進み、開発の余地も少ないため、「最大の行財政改革の合併を果たして引退する」と訴え、5人の混戦を勝ち抜いた。

 しかし、市名問題から合併が破綻し、単独運営の経営戦略プランを策定した。「将来への道筋はつけたが、合併問題が再燃するかもしれない。先頭に立つ気力、体力もないので次の人にお任せする」と述べた。

 同市長選の投開票日は6月3日。

http://www.asahi.com/politics/update/0221/010.html