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2007年02月21日(水) 00時00分

ゾウのはな子感動ありがとう “還暦”を祝うメッセージ “還暦”を迎えた井の頭自然文化園のゾウ「はな子」=いずれも武蔵野市で 東京新聞

 「長生きしてね」「たくさんの感動をありがとう」−。今年で推定六十歳を迎えた井の頭自然文化園(武蔵野市御殿山一)のご長寿、ゾウ「はな子」。還暦を記念し、はな子に届けられたメッセージや年賀状などが同園資料館に展示されている。メッセージには、子どもから年配までの幅広い層のファンに交じって、作家の志茂田景樹さんら著名人からも、感謝と励ましの声がつづられている。 (中沢誠)

 はな子は、戦後初めて日本にやってきたタイ生まれのアジアゾウ。一九四九年、上野動物園に来園。五四年に井の頭自然文化園に移ってきた。来日して五十八年、筋肉が衰え目の上にできたくぼみやしわ、一本しか残ってない歯など、さすがに年齢を感じずにはいられない。飼育期間では日本にいるゾウで最も長い。

 今でこそ「何世代にもわたり親しまれ、地元ではスターのような存在」(井の頭自然文化園職員)だが、飼育員を死なせる事故を起こし「殺人ゾウ」の烙(らく)印を押されたり、体調不良に苦しんだ暗い過去もあった。

 メッセージは、昨年出版された親子二代のはな子の飼育記「父が愛したゾウのはな子」に付いていた読者カードや、同園に届いた年賀状などを集めたもの。子どもから年配の人までの、三十数通が展示されている。

 展示されているメッセージカードには「あなたの姿に励まされます」「苦しみを味わった分、長生きしてね」「わたしの指をなめてくれた思い出は一生の宝」など、はな子との思い出や温かい言葉が並ぶ。

 作家の志茂田景樹さんも「子どもだったぼくに、あなたはいつも大きな夢を描くことと、生きることのすばらしさを教えてくれた」とメッセージを寄せている。

 「わたしと同い年のはな子さん、長生きしようね。わたしもがんばります」とエールを送るのは、歌手の伊東ゆかりさん。子どものころ、よく見に行っていたという。

 展示は二十八日まで。月曜休園。問い合わせは、同園=(電)0422(46)1100=へ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070221/lcl_____tko_____002.shtml