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2007年02月20日(火) 00時25分

ガス機器事故、21年で中毒死199人…業界団体読売新聞

 ガス機器メーカーなどで作る日本ガス石油機器工業会(東京都千代田区)は19日、各メーカーが持っている1986年以降の事故情報をまとめて公表した。

 過去21年余に火災や重症事故などが1476件発生、このうち一酸化炭素(CO)中毒による死亡事故は129件あり、199人が死亡したとしている。「誤使用」が原因と判断したものも含め、メーカー側が機種名なども合わせて事故に関するデータを一斉に開示したのは初めて。

 公開されたのは、加盟26社が保有している86年以降の事故情報のうち、死亡事故、治療1か月以上の重症事故、CO中毒、火災のいずれかに該当するもの。同会は19日、全データをホームページ上で公開した。

 事故原因の内訳は、各メーカーが換気不十分など「誤使用や(修理業者などによる)施工不良によるもの」と判断したものが820件。「原因不明または調査中」が460件と続き、「製品に起因する」とメーカーが判断した事故は196件だった。事故を製品別にみると、湯沸かし器が最も多く891件にのぼり、調理機器365件、暖房機器が161件だった。

 CO中毒による死亡事故が10件以上起きていたのは、パロマ工業、松下電器産業、ノーリツ、リンナイ。

 経済産業省が都市ガス事業者から受けた事故報告を読売新聞で集計したところ、81年〜03年の23年間に都市ガス地域だけで、CO中毒とみられる死亡事故が約400件発生、約540人が死亡していたことが既に分かっており、今回発表された数字はこれを大幅に下回る。現行のガス事業法ではガス事業者だけに事故の報告義務があることから、メーカーが把握していないケースが多数あるためとみられる。

 今回の公表は、リンナイ製ガス湯沸かし器でのCO中毒事故続発を重視した経産省からの要請に応じた。死者の年代別内訳は86〜90年の85人から減少傾向が続いているものの、06年以降も4人の死者が出ている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070219i213.htm