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2007年02月20日(火) 00時00分

凍らぬ滝、クイズ危機 檜原・払沢の滝朝日新聞

 「日本の滝100選」にも選ばれた「払沢(ほっさわ)の滝」(東京都檜原村本宿)で恒例の「氷瀑(ひょうばく)クイズ」が、20回目にして最大の危機を迎えている。滝が最も凍った日を当てるクイズだが、暖冬の今年は全く凍らない日がほとんどで、このまま暖かい日が続けば、わずか15%しか凍らなかった日が「正解」になってしまう。村の担当者は「これほど凍らない年はこれまで無かった」と話す。 (塩原賢)

 落差約60メートルある払沢の滝は「村一番の観光名所」(同村)。クイズは、真冬の1〜2月の間に全面氷結した日を当てるルールで、観光客が減る冬の観光の目玉にと、地元住民らが20年前に始めた。これまで全面氷結したのは96年と昨年の2回。昨年は久しぶりに全面氷結したと話題になり、1週間で1万人が訪れ、滝への道が大渋滞したという。

 クイズのルールは途中から、真冬の2カ月間で最も凍った日を当てる内容に変更。今冬のクイズには5369通の応募が寄せられた。

 関心を高めようと村は、地元住民の協力も得て、ホームページ(HP、http://www.vill.hinohara.tokyo.jp/)に日々の結氷率を載せているほか、昨年には「払沢の滝ライブカメラ」を設置。HPから凍っている様子を見られるようにもした。

 だがこの冬は、ほとんど滝が凍らなかった。1月は15、16日に全体の1〜2%が凍っただけ。今月も3〜5日に10〜15%が凍ったぐらいだ。過去5年間では、最低でも45%は凍っていたという。同村の幡野芳夫観光係長は「もう少し凍ってもらわないと寂しい」と肩を落とす。

 19日、滝の水はしぶきを上げて流れ落ち、全く凍っていない。東京管区気象台によると、今月は24日夜から25日にかけて一時的に冷え込むが、日中は気温が上昇。その後は徐々に気温が上がってくるため「大きな冷え込みは期待できず、氷結するのは難しい」という。

 このままいくと、最初に15%凍った今月3日が正解になるという。

http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000000702200001