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2007年02月20日(火) 00時00分

春日部市立病院 未払い治療費 回収強化朝日新聞

◇担当職員10人に増員 経営再建に訪問作戦

 多額の累積赤字を抱える春日部市立病院で、1年以上回収できないままの未払い治療費が、03〜05年度の3年間で約5300万円に上っている。経営再建を目指す市立病院は、未払い治療費の回収に携わる事務職員をこれまでの5人から10人に増員し、今月から自宅訪問による回収強化に乗り出した。病院事務部は「自宅訪問で生活状況を把握し、法的措置や逆に生活支援など次の戦略も考える」と話している。

 同部によると、生活困窮者や無保険の外国人が未払いになるケースが比較的多い。出産間際に駆け込んで、出産後には連絡が取れなくなってしまう患者もいるという。

 治療費が支払えない患者には退院時に誓約書を書いてもらったり、分割払いに応じたりするなど対策をとっている。退院後も頻繁に連絡をとるようにしているが、そのうち行方がわからなくなるケースも少なくない。

 民間病院では入院時に保証金を支払ってもらうなど、「自衛策」を講じるところも。だが、公立病院では「保証金が払えないと入院させない、ということはできない」との理由から導入は難しいという。

 回収はこれまで電話と文書での連絡が中心だった。だが、未払い相手の携帯電話に連絡したところ、次には病院の電話番号を着信拒否にされたこともある。そのため職員の携帯電話から直接連絡するなど苦労しているのが現状という。

 病院ではこれまでも、相手が支払い可能になった場合は、自宅を訪れて治療費を受け取るなどしてきた。今後はさらに自宅訪問を強化し、支払うよう直接会って話したり、留守の場合は手紙を置いてきたりする方針という。

 訪問は2人1組で行うが、「『(未払いなのは)私じゃない』と言い逃れされるのを防ぐためにも、相手の顔を知っている職員が行く必要がある。そのためには人手が必要」としている。

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