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2007年02月20日(火) 00時00分

脱「県立高離れ」 特色支援の予算朝日新聞

◇基礎学力の定着、運動部の活性化、就職支援… 12メニュー 校長が応募

 県教育局は来年度から、意欲のある県立高校の取り組みに、これまで一律に配分していた学校管理費の削減分を充てて、重点的に支援する予算を発表した。同局が示す予算メニューから、各校長が選んで手を挙げる公募形式で、基礎学力の定着や運動部の活性化、就職支援など12メニューがある。近年、私立高が進学実績や部活動の成果を伸ばす中で「県立離れ」が進んでおり、県立高の特色化に力を入れる狙いがあるという。

 来年度の新規事業「県立高校教育活動総合支援」で、予算は約1億円。同局財務課によると、学校管理費とは、事務用品の購入費や施設修繕費など各校が必要な日常的経費で、総額約60億円のうち来年度は経費節減で4%にあたる約2億円をカットし、一部を同事業に充てたという。

 これまで同局が個別に実施していた各事業を、メニュー化したのが今回の特徴。高校教育指導課は「高校が個性を発揮しやすく、進学先を選ぶ中学生や保護者にも、各校の魅力や狙いが伝わる」としている。

 手を挙げた各校長は、メニューを選んだ理由などを同局職員に発表し、成果の期待できる学校が選ばれる。各メニューに1〜27校の枠があり、合計のべ103校が対象。意欲の高い高校が複数のメニューで採用される可能性もある。

 今回のメニュー制では、事業の内容がほぼ決まっているが、次年度には、各校長が独自に発案した事業に予算をつけることも考えている。

【県立高校支援メニュー(抜粋)】

●多文化共生……定時制高校に通う外国人生徒への日本語指導や教育相談(11校)

●スポーツ教育……専門家による講習会やトレーニング機器の設置(4校)

●科学教育……大学の研究者、技術者による講演や実験講座、高度な実験・実習(20校)

●起業家教育……県、市町村、企業などと協力した地域特産品の研究開発(2校)

●就職支援……日本版デュアルシステム(職業訓練)、就職支援アドバイザーの派遣(27校)、ほか。

※計12メニュー、のべ103校

http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000000702200001