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2007年02月20日(火) 00時00分

ヒゲの隊長「国政が自分の『義』だと確信」参院選出馬ZAKZAK

 陸上自衛隊のイラク派遣で第1次復興業務支援隊長を務め、「ヒゲの隊長」として親しまれた佐藤正久・元1等陸佐(46、写真)。今夏の参院選に自民党の比例代表候補として出馬するため先月退官した。このたび夕刊フジのインタビューに応じ、「現場を知るからこそ平和の尊さが分かる。誇りある国づくりに尽くしたい」などと熱い思いや出馬に至る経緯を語った。

 外務省出向時代のカンボジアや国連PKOでのゴラン高原、イラク・サマワでの復興支援など、数々の国際任務を経験してきた佐藤氏。昨年夏、当時の額賀福志郎防衛庁長官から「ぜひ、国政の議論に加わってほしい」と口説かれた。

 防衛大学入学から28年、自衛官人生をまっとうしようと考えていただけに驚いたが、任務の中で政治と現場の乖離(かいり)を痛感。政治の失敗で苦しむ紛争地の人々を見てきただけに、「どうすべきか」と半年間も悩み続けた。

 そうした最中、北朝鮮のミサイル発射や核実験が相次いで勃発した。

 「国民の方々が他人事のようにとらえている感じを受けた。安全保障も国際貢献も机上の空論ではダメ。現場を知る人間が実態を伝え、実効性の伴う議論をしなければ国民の安全は守れない。防衛庁の省昇格も決まり、国政を目指すことが自分の『義』だと確信した」

 今月初め、京都で行われたシンポジウム。麻生太郎外相は「佐藤さんが票を集めれば集めるほど、(日本人が安全保障に目覚めた。主権侵害の拉致は許さないと)北への強いメッセージになる」と訴えかけた。

 安全保障のエキスパートだが、高3の長男、高1の長女の父親でもあり教育問題にも関心が高い。少年犯罪の凶悪化や、いじめが原因の自殺にも心を痛めている。

 「日本から絆(きずな)が失われ、他人への思いやりがなくなりつつある。1つの案だが、子供たちに規律ある団体生活を経験させて、協調性や自立性、社会性、秩序や我慢などを教え込んではどうか。絆の再生です」

 現在、全国各地の自衛隊基地前などで朝と夕、かつての仲間に持論を訴えている。背広姿に初めは気づかない人も「ヒゲの隊長」だと分かると、「頑張ってください!」と激励されるという。

 睡眠時間2、3時間というハードスケジュールが続くが、サマワの人々を魅了した笑顔とバイタリティーで確実に支持を増やしている。 

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ZAKZAK 2007/02/20

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