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2007年02月20日(火) 00時00分

若年労働者の劣悪な労働環境実態にメス 24日に新宿でシンポ『再チャレンジ』などテーマ 東京新聞

 派遣労働者など若者を中心とした非正規雇用労働者が増加する傾向にあるなかで、フリーターや学生の労働問題に関する調査・研究を行っている若者のグループ「POSSE(ポッセ)」(今野晴貴代表)は二十四日、新宿区の角筈区民ホールで、シンポジウム「偽装『再チャレンジ』〜自己責任論を超えて〜」を開催する。

 メーンテーマは、格差社会といわれる中で、安倍晋三首相が掲げる「再チャレンジが可能な社会」についてと、法案の今国会提出が見送られた「ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間の規制除外制度)」(いわゆる残業代ゼロ)法案など労働法制度の改正問題。

 講演者は、作家の雨宮処凛さん、都留文科大学教員(社会哲学・現代社会論)の後藤道夫さん、大阪府立大学教員(社会思想史)の酒井隆史さんの三人。フリーターやニートの支援をしている若者も論議に参加する予定だ。

 今野さんは「政府や財界が志向する労働政策についてだけでなく、そうした政策と私たち若者の『生きること』がどのように結びついているか、まで掘り下げ意義深いイベントにしていきたい」と話している。

 POSSEのメンバーが昨年、都内で十五−三十四歳の若者二千八百人を対象に実施したアンケートによると、このうち正社員(四百二十五人)の46%、時給制であることの多いフリーター(三百六十五人)の28%が「残業代を受け取っていない」と回答するなど、企業の業績が大幅に伸びている中で、若年層が劣悪な条件で働かされている実態が明らかになっている。

 シンポジウムは会費千円。午後六時半から。角筈区民ホール(西新宿四の三三の七)へは京王線初台駅から徒歩十分。問い合わせはPOSSE=(電)(5779)1890=へ。ホームページはhttp://www.npoposse.jp/


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070220/lcl_____tko_____002.shtml