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2007年02月20日(火) 23時34分

汚職の元刑務官、有罪 勾留中の組長に便宜 大阪地裁朝日新聞

 大阪拘置所の刑務官による汚職事件で、収賄罪に問われた元刑務官桑野勝彦被告(37)=懲戒免職処分=の判決が20日、大阪地裁であった。和田真裁判長は「収容者に対する有利な立場を利用した悪質な犯行で、まじめに働く拘置所職員への信頼を損なったが、金銭の授受の一部を自発的に供述するなど反省している」と述べ、桑野被告に懲役3年執行猶予5年、追徴金約125万円(求刑懲役3年、追徴金同)を言い渡した。

 判決によると、桑野被告は04年以降、同拘置所にそれぞれ勾留(こうりゅう)されていた暴力団組長の天野洋志穂(本名・金政基)被告(66)=贈賄罪で懲役1年6カ月執行猶予4年の判決=と、労働組合幹部の武建一被告(65)=同罪で懲役10カ月の実刑判決=に対し、外部との連絡役を引き受ける「ハト行為」を請け負うなどの便宜を図った。

 その見返りとして同年7〜10月、天野被告から家族旅行代金など計約25万円を負担してもらったり、中古乗用車を譲り受けたりした。また昨年4月には、保釈された武被告から兵庫県宝塚市内のレストランで現金100万円を直接受け取った。

 判決は、桑野被告が死刑確定囚や暴力団関係者ら処遇が難しい収容者の独居房担当に抜擢(ばってき)された03年以降、この人事を先輩から快く思われていないと感じて孤立し、仕事への情熱を失っていったと指摘。「住宅ローン返済などを抱えていた被告が、暴力団関係者らなら口が堅く、金を受け取っても表面化しないと考えた金銭的欲望による犯行だ」と述べた。

http://www.asahi.com/national/update/0220/OSK200702200091.html