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2007年02月20日(火) 03時01分

粉飾つけ込み乗っ取り、アドテックス元社長を逮捕読売新聞

 今年1月に破産したコンピューター関連企業「アドテックス」(東京都港区)の資産隠し事件で、警視庁組織犯罪対策3課は19日、新たに元同社社長の前田大作容疑者(51)を民事再生法違反(詐欺再生)の疑いで逮捕した。

 同社は、2004年12月期の決算で約50億円の売り上げを粉飾した疑いが持たれており、うち約17億円分は、前田容疑者が経営する出版社との取引だったことが判明。

 組織犯罪対策3課は、取引先としてアドテックスの粉飾決算に協力した前田容疑者が、同社の弱みに付け込み、その後、経営陣に入り込んだとみて調べている。

 調べによると、前田容疑者は昨年3月にアドテックスの社長に就任すると、指定暴力団山口組系の元組長で当時、副社長だった下村好男容疑者(45)らと共謀、民事再生手続き中の昨年5〜6月、下村容疑者が経営する別の企業と不必要なコンピューターシステムの購入契約を結び、アドテックスの資産から計6300万円を支払った疑い。前田容疑者は「下村容疑者の主導で不必要な支出をした」と認めているという。

 前田容疑者は資産コンサルティング会社の出身で、04年8月にはプロレス情報誌などを発行する「日本スポーツ出版社」(東京都中央区)の経営権を取得。06年3月には、アドテックスの経営を立て直すとの触れ込みで同社社長に就き、1週間後には下村容疑者を副社長として招き入れた。

 組織犯罪対策3課がこの間の経緯を調べた結果、アドテックスは04年12月期決算で、約50億円分の架空売り上げを計上した疑いがあり、うち約17億円分の名目は、日本スポーツ出版社にコンピューターシステムを販売して得た代金になっていたこともわかった。

 同課は前田容疑者が架空売り上げに協力したことを利用し、下村容疑者とともに、当時のアドテックス経営陣から経営権を強引に取得したとみて追及する。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070220i401.htm