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2007年02月20日(火) 13時32分

<連続殺人>自殺サイト悪用の38歳被告に死刑求刑 毎日新聞

 インターネットの自殺サイトを悪用した男女3人の連続殺人事件で、殺人などの罪に問われた元派遣会社員の前上博被告(38)の論告求刑公判が20日、大阪地裁(水島和男裁判長)であった。検察側は「犯罪史上例をみない凶悪非道な犯行で、極刑がやむを得ないのは火を見るより明らか」と述べ、死刑を求刑した。
 論告などによると、人が窒息して苦しむ表情を見て性的快感を得る性癖がある前上被告は、窒息死させて、より強い快感を得ようと計画。インターネットの自殺サイトの投稿者に練炭自殺を持ちかけて誘い出し、05年2〜6月、大阪府内の路上に止めた車内で口や鼻を手でふさぐなどし、男女3人を殺害するなどした。
 検察側は「被害者には何の落ち度もなく、いずれも犯行時には必死に抵抗していた。被告は被害者を失神させては殴るなどして繰り返し窒息させ、肉体的、精神的に虐待の限りを尽くして殺害に及んだ。自己の性的快楽の追求のためであり、その態度、動機に一片の同情の余地もない」などと厳しく指弾した。
 論告に先立って行われた意見陳述で、遺族らは「被告は命より大切な息子を取り上げた。何もかもが壊れてしまった」「これ以上犠牲者を出さないで」などと述べ、いずれも前上被告の極刑を求めた。【前田幹夫、遠藤孝康】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070220-00000056-mai-soci