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2007年02月18日(日) 00時00分

判決への経過 詳細に 市民250人集め『裁判員模擬裁判』 東京新聞

 二〇〇九年までに始まる裁判員制度と、刑事裁判の問題点を考えてもらおうと、埼玉弁護士会は十七日、さいたま市中央区新都心のラフレさいたまで「裁判員模擬裁判」を開き、市民ら約二百五十人が集まった。

 裁判員制度では強盗や殺人などの重大事件について、裁判官三人、一般市民から無作為に選ばれる裁判員六人が意見を出し合い、評決する。

 模擬裁判は、弁護士ら約二十人が約一時間半の法廷劇を演じた。てんぷら店への放火罪で起訴された男の公判を題材に、出火原因は放火か、放火事件として男は犯人かどうかを争点に解説を交えて、判決が出るまでの流れを紹介。放火ではない疑いが残り、「疑わしきは被告人の利益に」の原則から、裁判長は男に無罪判決を言い渡した。

 終了後、同弁護士会裁判員制度委員会の松山馨委員長が「今の刑事裁判の有罪率は99%を超え、あまりに高い。無実の人のために無罪を発見するのが裁判の目的で、市民の感覚を持って裁判員として参加してください」と呼び掛けた。 (安藤恭子)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20070218/lcl_____stm_____001.shtml