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2007年02月17日(土) 00時00分

<東京カフェ>締め切り 東京新聞

 締め切りが迫る。原稿を落としそうだ。そろそろ、デスクからの雷が落ちるだろう。

 本欄は東京の担当記者が、月に一度のペースで順繰りに執筆している。時間的な余裕は十分なのに、仕込みのネタがない。今回に限った話ではない。計画性のない愚かな性格が、毎回、危機を呼び込んでいる。

 ゴア前米副大統領が、地球温暖化の危機を訴えて回る、映画「不都合な真実」の挿話が思い浮かぶ。カエルを、いきなり熱湯に入れると跳び上がって逃げ出すのに、水に入れて徐々に温めると、危機に気が付かずにゆであがってしまう。

 突然の危機には何とか対処しようとするが、ゆっくり迫る危機には「まだ大丈夫」と目をそむけて動こうとしない人類の愚かさをたとえている。ああ、私もカエル並みか…。

 締め切りが迫るのは、都知事選を目前に控えた民主党もそうだ。四年前から、日程は分かっていたはずなのに、いまだに候補者が決められない。間に合うのか。いや、二大政党の一翼を、カエル並みの記者とたとえるのは、失礼極まりない。きっと、後出しジャンケンという高度な戦術で、強力な候補を都民に披露するのだろう。そう信じたい。 (浅田晃弘)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070217/lcl_____tko_____004.shtml