記事登録
2007年02月17日(土) 00時00分

小児科医集約、県協議会結論出ず朝日新聞

■ 住民の利便配慮 壁に

 県小児救急医療対策協議会が16日開かれ、県内の病院に勤務する小児科医の集約化と重点化を進めるかどうかを議論した。しかし、医療圏ごとに医師を集約・重点化した場合、医師の負担軽減と住民の便利さを両立させられるかどうかで意見がまとまらず、結論を持ち越した。

 協議会は、県の医師会や小児科医会関係者、中核病院の院長らが出席して青森市のホテルで開かれた。「提供する医師側からすれば集約化は必要。だが、住民側からすれば不便も生じる。両方満足するにはどうすればいいか、結論が出せない」「県の現状の細かい分析が必要だ」といった意見が出た。この日は方向性を打ち出すことができなかった。

 厚生労働省は、都道府県ごとに集約化を進めるかどうかを決め、報告するよう求めている。県はこの日の協議会で方向性をまとめ、今年度中に報告する方針だった。

 集約化を進める場合、県は08年度までにつくる県の医療計画に具体策を盛り込む必要がある。県は4月以降、協議会を開き、方向性をまとめる方針だ。

 県内の医師不足は小児科医でも著しく、特に、医療圏間で偏在している。

 厚生労働省の04年の調査によると、人口10万人あたりの小児科医数の全国平均11・5人を上回っているのは弘前市を中心とする津軽医療圏14・7人と、青森市を中心とする青森医療圏11・6人のみ。八戸市が中心の八戸医療圏は9・8人となっている。

 最少は五所川原市を中心とする西北五医療圏の4・4人。全国平均の約4割に満たない。上十三医療圏5・1人、下北医療圏5・8人。

 小児科医が不足している医療圏では、深夜帯を含めて比較的軽い救急患者も病院が診療しており、その結果、病院に勤める小児科医の負担が重くなっている。

 小児科医の過酷な勤務を改善するため、国や日本小児科学会は、地域ごとに小児科医を集約化することを提言。入院できる病院と、外来のみを担当する病院とに分け、連携することを提言している。

http://mytown.asahi.com/aomori/news.php?k_id=02000000702170004