市環境課によると、条例で、集積所に出された資源ごみは市の所有物と明記。これにより、持ち去り行為を窃盗罪で問えるようにするとともに、市が禁止命令を出せるようにした。
市は、職員約30人を動員して計10回の抜き打ちパトロールを実施。集まった古紙に判別できるような印を付け、チェックした。昨年4月18日には、新聞紙48・5キロの持ち去りを発見。佐賀署に通報し、窃盗容疑での初摘発となった。これを含め、計5回のパトロールで発見、約3700キロを回収。これ以外にも、同署員が3回で計729キロを見つけ、市が回収した。
回収分を含めた古紙・布類の月別収集量は、いずれも前年度より増えた。昨年12月(収集量550トン)には、増加幅が193トンと最多となり、最少の今年1月(同289トン)でも27トン増だった。ごみ出し量は一定でなく、単純に条例効果だけとは言えないが、このペースで推移すれば、今年度は4年ぶりに収集量が4000トン台に回復すると予測している。
旧市が資源ごみ収集を始めたのは1991年度。それまで民間事業者などが行っていたが、バブル経済崩壊の影響で古紙類の引き取り価格が低迷、採算ラインを割ったことから、民間業者の回収が減ったという。
このため、ごみの減量化などを目的に、市が紙・布類、金属と瓶類を回収、リサイクルする仕組みをつくり、収益をごみ処理費用に還元してきた。ところが、急成長を続ける中国向けの古紙輸出が活発化し、価格が上昇。都市部での持ち去りが目立ち始めた。
旧市内でも、2002年度の5005トンから、03年度は1195トン(24%)減の3810トンに落ち込んだ。市民から苦情も寄せられるようになり、04年度から条例制定の検討を始めたという。
市は「同じ人物が繰り返し行っているケースもある。パトロール回数を増やし、リサイクルへの市民の協力にも応えたい」としている。