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2007年02月17日(土) 00時00分

女川原発 使用済み燃料計算ミス読売新聞

93年以降 放射能量など1割低く

 東北電力は16日、女川原子力発電所から今年度中に搬出する計画だった使用済み燃料88体について、放射能値などを誤って算出していた、と発表した。計算プログラムのミスが原因で、1993年以降、すでに搬出が終了している計11回の輸送時も計算値が誤っていた。同社は「再計算の結果、輸送の安全性は確保されていた」としている。

 誤りが見つかったのは、使用済み燃料の放射能量と発熱量を計算するためのプログラム。「ウラン235」と「ウラン238」の重量を、それぞれ逆に使って計算するようプログラムが誤って組まれていた。その結果、放射能量、発熱量ともに本来より平均1割程度小さい値となっていたという。

 このプログラムは同社員が93年3月に作成。過去11回にわたって、使用済み燃料を青森県六ヶ所村や英仏などに搬送する際にも使われ、いずれも誤った数値のままだった。ただ、再計算した正しい値でも、使用済み燃料輸送容器の制限値を大きく下回っているのに加え、輸送直前に容器外部からの実測も行っているため、輸送時の安全は確保されているという。

 同社は、今回搬出する計画だった使用済み燃料について、搬出を延期することも含めて検討している。

 今回のミスは、今月、同原発で低レベル放射性廃棄物の放射能濃度データに誤りが見つかったことを受け、輸送に関するプログラムを点検している中で見つかった。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news001.htm