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2007年02月17日(土) 12時21分

広島市議調査費に監査委員「不当」読売新聞

お粗末 公金意識 最高は公明の358万円

政務調査費の監査結果を受ける秦事務局長(左から2人目、広島市役所で)
 スーツや靴、眼鏡の代金から自動車の購入まで——。市民からの住民監査請求で16日、政務調査費の不透明な使途が明らかになった広島市議会。市監査委員から不当と指摘された総額約386万円の調査費の返還を求められた3会派は「市民からの指摘を受け、返還に応じたい」と謝罪しながらも「使途基準がわかりにくい」と制度の不備を訴えた。市民からは「基準をあいまいなまま放置してきたのは市議会」「公金を使っている意識がなさすぎる」と批判の声が上がった。

 不正な調査費の返還を求める住民監査請求は昨年12月、市民団体「広島市西区生活と健康を守る会」の秦明美事務局長ら19人が行った。この日、監査結果を受けた秦事務局長は「ここまでひどいとは思わなかった。市民と議員の意識がかけ離れている」と憤った。

 市監査委員から「日常の私生活に必要な経費」と指摘されたスーツや靴などの購入に加え、車の購入やスーパーなどでの使途不明の領収書もあり、最多の約358万円の返還を求められた最大会派の公明党市議団(8人)。平木典道幹事長は「私的な部分は弁明できない。重く受け止めている」と厳しい表情を浮かべた。

 眼鏡代や車整備費など約27万円の返還を求められた会派「市民・民主フォーラム」(4人)の松坂知恒幹事長は「改めるべきものは改めたい。返還する方向」と説明。「基準がわかりにくかった。使い道については議論が必要で、明確にしなければならない」と話した。

 数珠代5000円の返還を求められた会派「地域デザイン21」(1人)の山本誠幹事長は「請求時に確認していなかった。今考えると不当な支出だったので、深く反省している。今後は改めたい」と謝罪した。

 藤田博之議長は「違法、不当な支出があったことは誠に遺憾。勧告を受け、詳細で具体的な使途基準を策定する必要があると考えており、今後、各会派と協議・検討したい」とコメントした。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news001.htm