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2007年02月17日(土) 00時00分

〈TV端会議〉原作派vsドラマ派、どちらですか?朝日新聞

 原作も読んだ!という声が最も多かったのは「花より男子2」でした。

 「『彼氏ヅラなんかすんじゃねーよ!』。マンガで一番好きなセリフがテレビでもイイところでバッチリ出てきて最高。おいしいところをバージョンアップして見せるテレビはすごい」(東京都・林史恵・13歳)

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 「華麗なる一族」は、原作派とドラマ派が真っ向から対立。カギは木村拓哉さん。

 「木村さんの存在がとても大きく、『あの頃には熱くて真っすぐな“男らしい男”が、まだいたのよねぇ』と思い出す。強い意志と深い哀(かな)しみを宿すきれいな瞳が素晴らしい」(千葉県・N.K・67歳女性)

 「木村さんは力が入り過ぎ? 若い頃に原作を読みましたが、壮大なストーリーや時代背景、複雑な人間関係がテレビ画面に入りきらないと思う」(横浜市・みふゆ・59歳女性)

 また、長大な原作をコンパクトにまとめた脚本への賛辞もありました。

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 小説ファンは、自分のイメージを大切にしたい思いが先に立つのでしょうか。

 「ドラマは、配役が人気者ばかりでイメージが壊れます。大の山崎豊子ファンで『白い巨塔』は見ましたが『女系家族』は大阪弁でないなど原作とかけ離れていて途中でやめ、『華麗なる一族』も見ていません。鉄平は、もっと年上で渋いイメージなのです」(横浜市・リス子・40歳女性)

 一方で、意外にいいね!ということも。

 「『のだめカンタービレ』のドラマ化なんて絶対ムリ!と決めてかかっていたら、仰天するほど忠実に映像化されているではありませんか。のだめのバカっぷりも堂に入っていて文句のつけようがない。ベートーベンの7番が好きになれたのはドラマのおかげです」(福岡市・渡辺誠・37歳)

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 新しい楽しみ方を見つけた人もいました。

 「正月に見た『悪魔が来りて笛を吹く』はなかなか楽しく、久しぶりに横溝正史作品を読み返したくて本屋へ。金田一耕助の誕生秘話などが書かれた本も見つけました。映像→原作→関連本という流れも面白いと感嘆しています」(東京都・ミステリー大好き・42歳女性)

 ◆記者もひとこと

 「花より男子」といい「のだめ」といい、マンガ原作のドラマで原作の設定を忠実に再現したものは、違和感なく受け入れられるようです。一方、小説は、思い入れが強いほどドラマにひとこと言いたくなるという声が多数。私も昨年11月の「氷点」がそうでした。今、原作を思い起こしつつ楽しんでいるのが連続ドラマ「東京タワー」。読後感は重かったのですが、倍賞美津子、速水もこみちコンビがほどよく軽妙な雰囲気で、最後まで引き込まれそうです。

http://www.asahi.com/culture/tv_radio/TKY200702170226.html