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2007年02月16日(金) 00時00分

米軍基地拡張で反米デモ、閣僚参加希望するドタバタZAKZAK

 イタリア北部の米軍基地拡張に反対し17日に予定されている7万人規模の現地デモに、与党の一翼である緑の党の閣僚らが参加を希望、プローディ首相ら政府首脳部を慌てさせている。首相の「禁足令」により断念に追い込まれたが、政権発足当初から指摘される連立与党の結束の緩さが、また露呈した。

 問題になっているのは、ベネト州ビチェンツァにある米軍基地(米兵約2800人が駐留)を、近くにある地方飛行場に移し現在の2倍に拡張、ドイツにいる部隊も合流し計4500人を駐留させる計画。

 地元自治体の首長は基地での雇用拡大などを期待し賛成するが、左派や地元住民からは反戦、安全などの見地から反対論が続出。しかし米国との摩擦を避けたい首相は「前政権(ベルルスコーニ氏)が約束したもので、今さら覆せない」として計画を承認した。

 アフガン派兵にも反対するペコラロスカーニオ環境相(緑の党)はデモ参加を表明したが、首相が13日、閣僚の参加を公に禁止したため断念した。再建共産党、イタリア共産党は、閣僚は参加しないものの、党幹部がデモ行進する。

 与党の内輪もめに、野党は冷ややかだ。フィーニ前外相は「自分の作ったもの(政策)を自分で壊すとは、外国人には理解できないだろう」(ANSA通信)と皮肉っている。

ZAKZAK 2007/02/16

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_02/t2007021634.html