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2007年02月16日(金) 00時00分

処方せんの筆跡違い発覚…麻酔盗難で麻酔科医逮捕ZAKZAK

 国立循環器病センター(大阪府吹田市)で鎮痛用の麻薬「フェンタニル」3箱(アンプル計30本)がなくなった事件で、吹田署は15日、窃盗容疑で同センター麻酔科の医師の男(36)=吹田市=を逮捕した。

 容疑を認め「自宅に持ち帰り、仕事で疲れた時や寝付きが悪かった時に自分で使った。30本すべて使い切った」と供述。同署は同日、センターと医師の自宅を捜索、自宅から空のアンプル30本を押収した。

 以前から麻薬を使用していたとほのめかしているといい、同署は麻薬取締法違反容疑も視野に余罪を追及する。

 同センターでは同日夜、瀬上清貴運営局長らが記者会見して陳謝した。

 調べでは、医師は1月15日ごろから29日ごろまでの間に、同センターの手術室麻酔科の金庫からフェンタニルを盗んだ疑い。

 同署によると、フェンタニルを使用するときは処方せんを作らなければならないが、医師はほかの麻酔科医が作成した処方せんを廃棄。本数を増やした新たな処方せんを自ら書いて、増やした分の麻薬を持ち出していたらしい。処方せんの筆跡の違いが発覚の端緒になったという。

 同センターによると、金庫を開けるには鍵と暗証番号が必要で、番号は13人の麻酔科医だけが知っていた。医師は8年前から麻酔専門医。昨年6月、関東地方の病院から同センターに移り、手術前の麻酔を150—200回手掛けていたという。

ZAKZAK 2007/02/16

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_02/t2007021601.html