記事登録
2007年02月16日(金) 07時30分

盗品セザンヌ売却狙う、元弁護士を逮捕 米連邦地検朝日新聞

 米連邦地検は13日、盗まれた絵画を売却しようとした疑いなどで、マサチューセッツ州ファルマスの元弁護士ロバート・マーディロシアン容疑者(72)を逮捕したと発表した。絵画の中には、99年にロンドンのオークションで1815万ポンド(当時の為替レートで約31億円)の値が付いた印象派のポール・セザンヌの静物画「水差しと果物」も含まれていた。

 発表によると、同州の個人宅からセザンヌ、スーチン、ブラマンク、ジャン・ジャンセンの作品計7点が78年に盗まれた。盗みの容疑者はマーディロシアン容疑者に作品を託し、翌年、殺人事件で死亡したとされる。同容疑者は作品を88年にモナコ、さらにスイスの貸金庫に移送し、99年にダミーとみられる会社を通じてロンドンで売却しようとした疑い。盗難美術品の登録会社が気づき、持ち主に通報した。

 持ち主とダミー会社の間で、セザンヌの作品を返還する代わりに他の6点の所有権を放棄する契約が99年に交わされた。持ち主はその直後にセザンヌの作品をオークションにかけた。ダミー会社が6点のうち4点を04年にオークションにかけようとしたところ、元の持ち主は契約が強要されたものだったとして無効を訴える訴訟を英国で起こした。裁判所が訴えを認め、4点は現在、オークション会社のサザビーズが保管しているという。

 ダミー会社の捜査でマーディロシアン容疑者が浮かんだ。13日、フランスからボストンの空港に着いたところを逮捕された。

http://www.asahi.com/international/update/0216/003.html