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2007年02月16日(金) 12時48分

経産省・都、NOVAに立ち入り検査…契約トラブルで読売新聞

 英会話学校大手「NOVA」(統括本部・大阪市)に対し、経済産業省と東京都が特定商取引法に基づく立ち入り検査をしていたことが16日、わかった。

 同社を巡っては、契約時に生徒が支払う料金と、解約時に同社が払い戻す料金の体系が異なることから全国でトラブルが相次いでおり、経産省では、こうした契約が同法違反(不実の告知)にあたる可能性もあるとみて調べている。

 同社の外国語講座は、生徒が購入するポイント数に応じて、受けられる授業時間が決まり、まとめてポイントを多く買うほど単価が安くなるシステム。中途解約で清算する際は、返還されない金額が、購入時より高い単価で算出される仕組みのため、その分、払い戻される金額は低くなる。このため都などには、元受講者から「中途解約したが、受講料がほとんど戻ってこなかった」などという苦情が多数寄せられていた。

 このほか、テレビ電話を使った「お茶の間留学」についても、「うまくつながらない」「事前の説明通りの解約に応じてもらえない」などといった相談が相次いでいるという。全国の消費者センターには2005年度、解約方法などに関して1000件を超える苦情や相談が寄せられた。

 こうした状況を受け、経産省と都は今月14日、大阪の統括本部や東京本部、横浜市や川崎市の教室などを立ち入り検査した。同社から契約時の説明資料などを提出させ、解約時の返金を不当に減らしていたり、契約時の説明と講座の実態が食い違ったりしていないかを調べている。

 同社の解約方法を巡っては訴訟も起きており、東京の男性が未受講分の受講料約61万円の返還を求めた訴訟では、東京地裁が05年、同社が契約時に中途解約に伴う不利な扱いを説明しなかったのは「消費者保護に反する」などとして、請求全額の支払いを命じる判決を言い渡した。二審の東京高裁も男性側が勝訴し、現在は同社が上告中。

 同社は81年に大阪市で創業。86年には東京にも進出し、「駅前留学」をうたって急成長した。全国約900か所に教室などを展開している。

 NOVA統括本部の話「特定商取引法違反での検査とは認識しておらず、外国人の採用方式などについて聞き取りを受けただけ。解約時の清算式については2001〜02年に経産省と打ち合わせを行い、問題ないとの見解をもらっているが、現在、最高裁で審理中で、司法の判断に任せたい」

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070216i104.htm