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2007年02月16日(金) 20時58分

民事再生法違反容疑で元山口組系組長らを逮捕 警視庁朝日新聞

 大阪証券取引所ヘラクレスを昨年、上場廃止となり今年1月に破産手続きに入ったコンピューター周辺機器製造「アドテックス」(東京都港区)の資産約6000万円を民事再生手続き中に不正に処分したとして、警視庁は16日、元同社副社長の下村好男容疑者(45)=中央区佃2丁目=ら2人を民事再生法違反(詐欺再生)の疑いで逮捕した。同庁は元山口組系組長の下村容疑者が経営難に陥った上場会社から不当に利益を得ようとしたとみて調べを進める。

 ほかに逮捕されたのは同社元財務経理部長の横浜市港北区大豆戸町、会社役員菊地大輔容疑者(31)。また同社社長で、人気プロレス雑誌を発行する都内の出版社の社長(51)について、共犯として逮捕状を取り、行方を追っている。

 組織犯罪対策3課の調べでは、2人は同社の民事再生手続きの開始が決定していた06年5〜6月、本来は必要がない業務管理システムの購入代金として計6300万円を下村容疑者が社長を務める情報処理サービス会社に支払った疑い。ともに「システムは必要なものだった」などと容疑を否認している。

 大証が05年12月にアドテックスを監理ポストに割り当てるなど同社の経営難が表面化した後の06年3月、2人は執行役員を兼ねるそれぞれの役職に社外から就任。同4月に同社は民事再生手続きの開始を東京地裁に申し立てた。同課は2人が経営陣に加わるに至った経緯も詳しく調べる。

 アドテックスは93年に日本アイ・ビー・エム(同)の一部門が分社化して設立。今年1月に一部事業の譲渡先が決まった。

http://www.asahi.com/national/update/0216/TKY200702160399.html