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2007年02月16日(金) 21時33分

四国電力、39件の料金過徴収 深夜電力ダブルカウント朝日新聞

 四国電力(本店・高松市)は16日、一般家庭や事業所で料金が割安になる深夜電力のメーターの設置方法を誤ったため、深夜分の電力量を二重計量し、料金を過徴収していたケースが四国4県で39件見つかったと発表した。うち過徴収期間がはっきりした9件で、過徴収金は計590万円。徳島県内のある事業所では13年間で約200万円に上っていた。経済産業省によると、「極めて初歩的なミス」で過去に同様のケースは把握していないといい、ほかの電力各社にも調査を要請した。

 ミスがあったのは、通常の「電灯用メーター」のほかに、夜間の電力使用が割安になる電気温水器や床暖房用の「深夜電力用メーター」も設置している家庭や事業所。本来は引き込み線の部分から枝分かれさせて、電灯用、深夜電力用のメーターを並列に設置しなければならない。だが、二つのメーターを直列に設置したため、深夜分が電灯用メーターで二重にカウントされていた。

 昨年11月、徳島県小松島市の事業所で屋内の配線改修工事をしていた業者から「配電が間違っている」との指摘があったことからミスが判明。4県で調査を始めたところ、香川13、愛媛11、徳島8、高知7の計39件の設置ミスと過徴収が分かった。

 深夜電力用メーターの配電工事は、契約者から依頼を受けた電気工事業者が行い、完了後に四国電力の社員が現地調査をして誤配線などがないかチェックする仕組み。39件のうち20件は現地調査時に見逃し、10件は工事業者からの届け出がなく、残る9件については原因を調査している。

 四国4県で過徴収の可能性があるのは約2万8000件あるといい、うち、今月14日までに約2万1000件の調査を終えた。残り約7000件については今月中に調査を終えるとしている。

 四国電力の佐伯勇人広報部長は「現地調査での社員のチェックが甘く、注意不足で電気料金を過剰に徴収してしまった。誠に申し訳ない」と話した。

 経済産業省電力市場整備課も「現地調査で見逃すという初歩的なミスで電気料金を過徴収するということは絶対にあってはならない」としている。

 四国電力では旧規格の電柱が突然折れる事故が93〜05年に香川、徳島両県で計4件発生していたことが昨年12月に発覚。ひびなどが見つかった約5万9500本のたて替え作業を進めている。

http://www.asahi.com/national/update/0216/OSK200702160111.html