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2007年02月16日(金) 00時00分

障害者芸術「質」伝えたい ちぎり絵展朝日新聞

 多摩ニュータウンにある鶴牧商店街の空き店舗を活用したギャラリー「ポラン」(東京都多摩市落合6丁目)で15日、重複障害者が創作したちぎり絵展が始まった。同ギャラリーを立ち上げた同市の造園コンサルタント峰岸久雄さん(59)が、質の高い障害者アートを地域に発信する企画の第1弾だ。27日まで。

 ポランは05年4月にオープン。間口6メートル、約60平方メートルの小さなギャラリーだ。

 「障害者の芸術には、ハンディキャップを除いても評価できるものがある」と話す峰岸さん。健常者の作品と並行して、質の高い障害者アートの紹介を思い立った。

 当初は、八王子にある精神科病院「平川病院」の造形教室で創作する患者の作品展を企画した。だが、患者の容体が悪化して見送ることに。

 代わりに、同院の造形教室講師・安彦講平さん(70)の紹介で、ろうあで知的障害がある岡田清和さん(39)=新潟県妙高市=のちぎり絵を展示することになった。

 岡田さんが、障害者の作品展を新潟で開いたのが縁。「ちみつな作風に驚いた。新潟では知られているようですが、もっと知ってほしかった」と話す。

 会場では、細かい紙を張りつけた自画像や風景画、動物画など12点を展示。画集やポストカードも販売する。18日には、アートセラピーに取り組んできた安彦さんの講演・交流会がある。

 峰岸さんは「画集などを売ることで、障害者の自立を支えたい。今後も、全国の障害者アートを継続的に発掘、紹介したい」と話す。

 展覧会は午前11時〜午後7時で無料。18日の講演会は午後2〜4時、参加費は千円。交流会は午後5〜8時で無料。問い合わせはポラン(042・355・7550)へ。

http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000000702160001