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2007年02月16日(金) 00時00分

白鳥飛来調査 切り札は寄居朝日新聞

 県が毎年1月に実施している県内のガンカモ科鳥類生息調査地点に、今年から白鳥飛来地の寄居町の荒川が加わり、調査時点での県内全体の白鳥のほぼ正確な飛来数がつかめることになった。厳冬の昨冬にはえさを求めて南下したため飛来数は急増したが、今季の調査結果によると、「暖冬のため一昨年以前の数近くに戻った」(県みどり自然課)という。

 調査は1月初め、県内全域の160カ所で実施された。吉見町の土採取跡が埋められて水鳥が飛来しなくなったため今回は調査地から外し、代わりに寄居町小園の県立川の博物館前の荒川周辺を調査地に加えた。同町では2、3年前から白鳥の飛来数が増えている。

 白鳥の飛来地としては、県内では深谷市本田の荒川が最大の飛来地として知られる。最近は寄居町のほか、川島町の越辺川でも越冬するため、3市町の数を合計すると、県内の白鳥の飛来数がほぼつかめるという。

 昨年1月調査の県内の飛来数は340羽(大半はコハクチョウ)で、前年の139羽をはるかに超えた。北の豪雪地を避け、えさを求めて南下してきたらしい。

 今年1月調査では深谷市72羽、川島町100羽、寄居町140羽で、県内全体では計332羽。3市町で全体の約94%となった。寄居町を除くと192羽で一昨年の飛来数を約50羽上回るが、数は例年並みに落ち着いたという。

 今回、深谷市での飛来数が少なかったのは下流側の河川工事の影響とみられるが、工事現場の光景に慣れたのか、2月は250羽を超えた日もある。

 11日には深谷市が252羽だったのに川島町はゼロだった。翌12日は深谷市が164羽で、川島町は103羽に回復した。寄居町でも日によって変動しており、白鳥は深谷市を中心に越冬地を往来しているとみられている。

http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000000702160002