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2007年02月15日(木) 00時00分

『ワースト議員特権コンテスト』 横浜市議会 堂々?2位の『厚遇』とは 東京新聞

 地方議会における議員特権の最悪の事例を選ぶ「ワースト議員特権コンテスト」で、堂々二位と不名誉な結果となった横浜市議会。ワースト二位の「厚遇」とは、いったいどんなものなのか−。 (木村留美)

 選考の理由となった「特権」は主に海外視察費と永年勤続表彰。海外視察は任期中に原則一回が認められており、政務調査費とは別に、一期目が六十万円、二期目以上は百二十万円を上限に実費が支払われている。永年勤続表彰は勤続二十年以降、四十年まで五年ごとに十万円を上限に希望する品物などが贈られる。

 海外視察は市の旅費条例で飛行機がビジネスクラス、ホテルが地域によって一万七千四百−二万九千円と決められている。旅行会社や航空会社に支払った実費での支給とされているが、上限いっぱいで受けとっているケースがほとんどで、キャンセル料を除いた支給平均も約九十八万円。また、最長十九日間かけて三大陸をまわったケースなど、期間や移動距離の長いものが目立つ。

 一方、永年勤続表彰では記念写真に加え、希望する記念品が贈られているが、希望する品物が十万円を超える場合には、超過分を自己負担で購入できるため、本年度は液晶テレビやノートパソコン、スーツ、ソファが「記念品」となった。ただし表彰は一部の会派や個人で辞退している事例もあるという。

 ほかに「特権」とされるものに、研究会費などの名目で領収書の添付なしで受け取れる月五十五万円の政務調査費や、議会や委員会に出席すると時間の長短に関係なく支払われる一日一人一万円の費用弁償(新年度廃止の見込み)などがある。

 「ワースト二位の特権」とされたことを、当の市議たちはどう受け止めているのか。

 ある市議は「不名誉ではあるが、これで議会改革が進むのではないか」と前向きに受け止める。

 別の市議は「(評価は)一方的で乱暴。永年勤続の場合、全員が受け取っているわけではないのに全体がワースト二位と言われるのは納得できない」と不満顔だ。市議の中には「どこの会社でも福利厚生はある。市議は終身雇用ではないうえに退職金もないのに」と厚遇を否定する声もあった。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20070215/lcl_____kgw_____000.shtml