記事登録
2007年02月15日(木) 00時00分

山口組最高顧問の国粋会会長拳銃自殺…責任浮上かZAKZAK

 指定暴力団山口組最高顧問で、東京都台東区に本拠を置く暴力団、国粋会の工藤和義会長(70)が15日午前、同区内の自宅で死亡しているのが発見された。警視庁は拳銃(けんじゅう)で自殺したものとみている。5日に指定暴力団住吉会系幹部が西麻布で射殺された事件を発端に都内では発砲事件が続発したが、住吉会と山口組は8日に手打ちしていた。警視庁組織対策4課では、和解の場で工藤会長の何らかの責任論が浮上した可能性もあるとみて調べを進める。また、新たな抗争の火種にもなりかねないとみて、関係先を中心に警戒を強めている。

 浅草署の調べによると、15日朝、国粋会関係者が台東区橋場の自宅を訪れたところ、頭から血を流して倒れている工藤会長を発見。浅草署に「工藤会長が死んでいる」と通報した。

 署員が駆けつけたところ、工藤会長は自宅2階の居間にあったソファに座り、頭から血を流して死亡していた。近くに拳銃が落ちており、同署は自分で頭を撃ったものとみて調べている。使用された拳銃はロシア製軍用のマカロフとみられる。

 射殺事件は今月5日午前に発生。住吉会系小林会の杉浦良一幹部(43)が港区西麻布で幹部を出迎えるため乗用車で待機していた際、バイクで乗り付けたヒットマンに射殺された。

 組対4課によると、小林会は国粋会から六本木の「シマ」を賃借していた。国粋会が05年9月に山口組傘下となったことで、“賃料”をめぐるトラブルが発生。さらに、山口組系組織が付近に事務所を構えるなど、一触即発の状態だったことが事件の引き金になったとみられている。

 射殺事件から2日間にわたり、都内では3件の発砲事件が続発。発砲されたのはいずれも国粋会と山口組の関係先で、住吉会系幹部2人が銃刀法違反で逮捕されている。

 一方、8日には山口組と住吉会幹部が会談し、和解したことを警視庁側に伝えていた。関係者によると、和解の席上、山口組最高幹部が射殺事件に国粋会が関与したことを認めたといい、組織内部では工藤会長への責任論が浮上していたという。

ZAKZAK 2007/02/15

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_02/t2007021523.html