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2007年02月15日(木) 00時00分

不振のクライスラー、1万3千人削減朝日新聞

 自動車大手ダイムラークライスラーは14日午前(日本時間同日深夜)、北米を中心に事業展開するクライスラー部門について、09年までに米国内の2工場を閉鎖し、全従業員の約16%にあたる約1万3000人を削減すると発表した。販売不振で過剰になった生産能力を絞り、大幅な経費削減で業績悪化に歯止めをかけるのが狙いだ。日本車の攻勢で、昨年までのゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターに続き米大手「ビッグ3」がそろって大規模リストラに追い込まれた。

 ダイムラークライスラーは資本提携も視野に入れた他社との関係強化に言及。クライスラー部門の分社化についても、ツェッチェ社長は同日の記者会見で「すべての選択肢を排除せずに検討する」と述べた。「具体的なことは答えられない」としたが、今後の動きによっては日本メーカーも含む世界的再編の引き金になる可能性もある。

 この日発表したリストラ策は、早期退職者を募って米国とカナダの工場労働者1万1000人と管理職2000人を減らす。06年12月期決算で、クライスラー部門は営業赤字11億ユーロ(約1740億円)と3年ぶりの赤字。同期の販売台数が前年同期比6%減ったのが響いた。

 同部門は01年にも6工場閉鎖に伴う2万6000人の人員削減を実施し、ビッグ3の中では当初、経営改善策で先行。だが、原油価格の高止まりで燃費の良い日本メーカーに需要を奪われ、業績が悪化。同じように販売不振に悩むGMとフォードが昨年、相次いで大リストラを始めると競争力が低下し、昨秋から再リストラの検討を進めていた。

http://mytown.asahi.com/usa/news.php?k_id=49000000702150005