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2007年02月15日(木) 20時54分

三菱東京UFJに行政処分 飛鳥会事件で金融庁朝日新聞

 三菱東京UFJ銀行の行員が、融資先の財団法人「飛鳥会」(大阪市)の業務上横領事件に関与していた問題で、金融庁は15日、同行に対し全国約350の法人営業拠点での新規客への融資を7日間停止する業務停止命令を出した。法人営業拠点の新設も3月から半年間禁止する。前身の旧三和銀行時代も含め、経営陣が長期間、暴力団など反社会的勢力との癒着を放置し、問題解決へ対応を取らなかったと厳しく批判。経営責任の明確化やコンプライアンス(法令順守)態勢強化を求めている。

記者会見で頭を下げる三菱東京UFJ銀行の畔柳信雄頭取(中央)=15日午後6時47分、東京都中央区で

 新規融資の停止は4月9日〜7月9日の間、地域ごとに実施する。この間、拠点の全役職員が法令順守の重要性などについて研修を受ける。

 三菱東京UFJ銀は15日、畔柳信雄頭取らが記者会見し、「重い処分と厳粛に受け止める」と陳謝。今後、自らも含め役職員の処分を検討する。

 金融庁などによると、旧三和銀淡路支店は、元飛鳥会理事長で業務上横領と詐欺の罪に問われている小西邦彦被告と癒着。支店の行員が同会の事務所に常駐して経理を担当したり、延滞するのを承知で追加融資をしたりした結果、系列ノンバンクも含めて80億円以上の融資が焦げ付いた。

 小西被告は暴力団ともつながりがあり、旧三和経営陣は役職員に対する危害など「不測の事態」を心配して具体策を取らなかった。旧UFJ銀も04年に外部の専門家からなる「業務監視委員会」を設けたが、問題を報告せず機能しなかった。06年1月の三菱東京UFJ発足後も、経営陣が警察当局との密接な情報交換などの再発防止策を導入しなかった。

http://www.asahi.com/business/update/0215/184.html