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2007年02月15日(木) 17時44分

CO中毒事故223件、死者34人 04年までの5年間朝日新聞

 ガス湯沸かし器やストーブなどガス器具の一酸化炭素(CO)中毒事故が、統計のある04年までの5年間に全国で223件起き、死者は34人にのぼることが経済産業省の原子力安全・保安院の調べで分かった。ガス事故は減少傾向にあるが、死亡事故はゼロにならない。関係機関は「ガス機器の使用時には換気を徹底してほしい」と注意を呼びかけている。

 燃料ガスは、ガス管から家庭や企業に供給される都市ガスと、各戸に設置されたボンベから供給される液化石油ガス(LPガス)に大別される。保安院によると、00年から5年間の事故件数と死者は都市ガスが179件23人、LPガスが44件11人だった。CO中毒以外の爆発や火災なども含めたガス事故の総計では659件46人になった。

 CO中毒事故をめぐっては、パロマ工業(名古屋市)が製造・販売したガス瞬間湯沸かし器で85〜05年の間に事故が28件起き、21人が死亡した。安全装置を働かなくする不正改造などが原因とみられ、経済産業省が製品の欠陥を認定して回収命令を出した。

 リンナイ(名古屋市)製の開放式小型ガス湯沸かし器は、00年以降に事故が少なくとも5件発生し、3人が死亡していたことが明らかになった。さらに神戸市では今月10日、大阪ガスが30年以上前に販売していた金網式ガスストーブを使っていた夫婦2人がCO中毒で死んでいるのが見つかった。

 多くのケースは過去に同様の事故が初めて起きた際に公表されていなかったが、利用者が使い方を誤ったとの見方も強い。点火を繰り返すうちに不完全燃焼防止装置が機能しなくなったり、事故当時に換気扇を使っていなかったりしていたという。

 中毒事故は、このほかにコンロや風呂釜の使用時でも起きている。換気を十分にしていない時や排気設備の不具合があった際に不完全燃焼を起こし、CO中毒になるケースが多いという。

 都市ガスによる事故は80年代には年間270件を記録、死者は50人を超えていた。90年ごろから減少傾向が続き、ここ数年では年間で20〜40件発生し、死者10人弱になった。70年代までは毒性のある石炭を原料にした石炭ガスだったが、天然ガスを使うようになって事故は減ったという。

http://www.asahi.com/national/update/0215/OSK200702150044.html