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2007年02月15日(木) 11時28分

いじめが原因の事件、急増233件 児童虐待も最悪朝日新聞

 全国でいじめ問題が深刻化しているが、昨年いじめが原因となった事件はここ20年間で最悪の233件にのぼったことが15日、警察庁がまとめた「少年非行等の概要」で明らかになった。前年比68件の大幅増となった。いじめに遭った子どもたちのうち、事前に相談していた子は前年より増えたが、それでもまだ5人に1人は誰にも打ち明けられないでいるという。

いじめが原因となった事件

 捜査の過程で加害者と被害者に話を聴く中で、いじめが原因になったと判断した。事件は恐喝や傷害が多く、検挙・補導した子どもは460人(前年比134人増)。中学生が352人(同112人増)で、高校生90人(同27人増)、小学生18人(同5人減)だった。

 なぜ、いじめたのかを聞いたところ、加害者側の供述(複数回答)で最も多かったのは「力が弱い・無抵抗」で46.3%を占めた。次いで「いい子ぶる・なまいき」の15.0%。前年はこの二つの理由はそれぞれ約27%だったが、力の弱い相手を面白半分でからかう実態がさらに深刻化した。

 いじめられていることを打ち明けられなかった子どもは、全体の21.9%。3人に1人が相談していなかった前年からは相談は増えたが、依然として割合は低いまま。相談相手は、保護者(57.1%)、教師(36.2%)、警察などの相談機関(31.0%)、友人(2.9%)の順。相談機関と保護者が前年比で15〜17ポイント伸びた。

 一方、「少年非行等の概要」は児童虐待についてもまとめており、昨年は297件の虐待事件が発生し、316人の子どもが被害に遭った。統計を取り始めた99年以降で最悪。死亡した子どもは59人に上った。

http://www.asahi.com/national/update/0215/TKY200702150179.html