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2007年02月15日(木) 06時17分

買ってためる「ポイント」のルール作り始める 経産省朝日新聞

 スーパーや航空会社などが発行し、消費者は事実上の値引きや別の商品との引き換えなどに使える「ポイント」について、経済産業省がルール作りを始める。年間発行額が1兆円規模に膨らんでいるとも言われる半面、消費者保護に関する制度は不十分。発行に一定の規制を設けて「現金化」に歯止めをかける狙いがあるが、企業間のポイント提携の動きに水を差せば、利便性の低下につながる可能性もある。

 同省担当審議官の私的研究会として発行企業の関係者らを集めた「企業ポイント研究会」を23日に発足させ、6月まで関連法の見直しなどを検討する。

 企業は顧客囲い込みや販売促進を狙ってポイント発行の動きを強める。企業間で提携し、クレジットカードの利用でためたポイントを家電量販店で使えるようにしたり、電子マネーと交換できるようにしたりする動きが広がっている。

 一方で、国民生活センターには「航空会社が発行したマイレージの交換率が突然変更された」などの苦情が寄せられているといい、トラブル増加も心配されている。

 商品券やプリペイドカードには、すでに前払式証票規制法(通称・プリカ法)が適用され、一定の消費者保護がある。ポイントも「実質的にお金のように使われている」(同省幹部)が、これまで「おまけ」として扱われ、景品表示法などで発行の上限が決められている程度だった。

 研究会は、ポイントを交換する企業間提携が突然解消されるなどして消費者が不利益を被らないようなルールを検討する。企業がポイント交換率を一方的に変えるのを防いだり、提携企業が顧客の買い物情報を共有する場合に個人情報を保護したりする制度も研究する。

 発行企業が破綻(はたん)した場合にポイントの権利をどう守るかも課題だ。企業は発行額と利用率に応じて引当金を計上しているが、経産省は「ポイントの価値が確実に保証されるかどうか不明確だ」として、法整備などが必要とみている。

http://www.asahi.com/business/update/0215/041.html