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2007年02月15日(木) 04時36分

法テラス 相談低迷 愛媛地方事務所読売新聞

開業4か月、PR強化

利用が低迷するため、積極的なPRに乗り出す「法テラス」愛媛地方事務所
 総合的な法律サービスを提供する日本司法支援センター(法テラス)愛媛地方事務所(松山市一番町)への相談件数が、開業4か月で、事前に想定した月1000件の半分以下に低迷している。「法律問題の道案内」として、内容に合った相談機関や窓口を紹介するのが本来業務だが、「無料相談所」と勘違いした問い合わせも後を絶たない。同事務所は「法テラス離れ」を防ごうと、県内市町の広報紙に情報掲載を要望するなどPR作戦に乗り出した。

 「法テラス」は昨年10月に全国50か所で一斉にスタート。東京都に相談を一括して受けるコールセンターがあり、愛媛地方事務所では職員6人が国選弁護人の紹介や犯罪被害者支援などに当たっている。

 県内からコールセンターに寄せられた件数は、昨年10月は340件を記録したものの減少傾向に。11月は203件、12月は111件、1月には106件まで落ち込んだ。

 事務所が直接受ける電話も開業後1週間は1日約30件あって対応が追いつかないほどだったが、現在は1日平均で十数件。コールセンターと事務所を合わせても1日20件程度で、予想した1日50件の半分以下にとどまっている。

 「交通事故で保険金が支払われない」「離婚したが、財産分与でいくらもらえるのか」——。事務所への電話の約3割は法的な助言を求める内容という。

 しかし、法テラスでは、経済的な事情を抱えたケースを除き、アドバイスはできない。パンフレットにそのケースを想定して記した「無料法律相談」の言葉を勘違いしたり、自治体の相談窓口の担当者も間違って法テラスを紹介したりする例もあるという。

 そのため、事務所側は職員を各市町の社会福祉協議会や民生委員の研修会などに派遣し、周知を図っていく。

 事務所の村上正司事務局長は「まだ電話帳に掲載されておらず、PR不足もある。島しょ部や山間部など近くに相談機関がない人にもっと利用してもらえれば」と話している。問い合わせは事務所(050・3383・5580)。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ehime/news001.htm