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2007年02月15日(木) 04時28分

耐震偽装点検 6割79件は問題なし読売新聞

 京都市内の2ホテルの耐震強度偽装問題で、「田村水落設計」(富山市清水中町)の水落光男・1級建築士が手がけた県内の物件の構造計算書を点検していた県は14日、結果を中間集計し、点検対象の約6割にあたる79件については耐震性に問題がないと発表した。県は、構造計算が複雑な6階以上の高層物件について構造計算書の再計算を行う方針で、今年度内に全調査を終える方針。

 県建築住宅課によると、水落建築士が関与した物件は、1回目に中間集計した1月末時点で137件だったが、その後、水落建築士が所属する「田村水落設計」の報告を受けて計170件に広がった。

 ただし、このうち木造平屋建てなどの小規模物件で、構造計算が不要なため39件が対象外となり、県、富山市、高岡市による実際の調査対象は計131件と分かった。このうち79件(県の点検分が20件、富山市が51件、高岡市が8件)について安全が確認された。

 一方、現在も調査中の物件は、マンション、ホテル、公共施設、病院などの52件で、県は16件、富山市は31件、高岡市が5件を残している。

 特に、高層物件は13件中10件で安全がまだ確認されていない。綿密な構造計算を求められるため、県、富山市、高岡市はそれぞれ、建物の構造計算を第三者機関に委託するなどして安全性を再検証する方針。県は県建築設計事務所協会への委託を決めている。

 また、県は、延べ床面積約1万9000平方メートルの工場や、鉄骨と鉄筋コンクリートが入り混じった建物など4件については、規模が大きく複雑なため、中、低層物件でも専門家に委託するなどして構造計算書の点検を依頼するという。

 同課の白山徹課長は「客観性を持たせ、万全を期するためにも第三者に委託するのが最善と判断した。県が所管する高層物件の再計算については来週中に業者と契約を結びたい」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news002.htm