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2007年02月14日(水) 00時00分

屋上緑化に「マット植物」、県など研究朝日新聞

 手軽に屋上緑化ができるシート状の「マット植物」。県などの研究で、既存の建物でも使えるほど軽量になり、実用化に向けた取り組みが大詰めを迎えている。コスト面に若干の課題は残るが、佐倉市には生産組合もできた。

 屋上緑化の研究は、県農業総合研究センター(千葉市緑区)が99年度から始めた。現在は森林総合研究所(本所・茨城県つくば市)などと共同で取り組んでいる。
 「マット植物」は、タイムなど、植物の根がからみあってシート状になったもの。同センターでは、傾斜屋根でも栽培できる植物を選び、法律で定める屋根の積載制限に耐えられるよう、軽量化の改良を重ねてきた。

 1平方メートルの重さは約30キロで、根の部分の厚みは4センチ以下。資材代は原価で1万円程度。屋根に遮水シートを敷いた上に水分補給の資材を載せ、そこにマット植物を固定して設置する。季節によって量に違いはあるが一定の散水は必要だ。

 同センターがログハウスを使ってマット植物の効果を調べたところ、屋根に取り付けたハウスは未設置のものと比べ、室内温度が夏だと約5度低く、冬だと約2度暖かかった。同センターの柴田忠裕主席研究員は「冷暖房を使用する場合に、省エネにつながるはず」とみている。

 同センターと連携し、佐倉市などの鉢物農家約20人もすでに、マット植物を生産する「いんばマット植物研究会」を立ち上げている。05年度は約1万5千枚(1枚25センチ四方)を販売した。県内外の病院やビルの屋上で使われている。

 同センターの柴田忠裕主席研究員は「もう少し製品単価が下がれば、さらに普及するはず。農家が効率よく生産できるよう研究を究めたい」などと話している。

http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000702140001