記事登録
2007年02月14日(水) 00時00分

「いのちの電話」 相談員不足朝日新聞

  「横浜いのちの電話」がボランティアを募集している。20年間、24時間・365日の「眠らぬダイヤル」を守っているが、選考と講座を経て認定されるひとは減少傾向にあり、人手不足に悩む。渡辺詢子(のぶこ)事務局長は「かけて良かったと思ってもらえれば、それで幸せ。1件でも多くの電話をとるためにも、一人でも多くの相談員が必要」と呼び掛けている。

(二階堂友紀)

  ある日中、主婦とみられる女性から、横浜いのちの電話に、こんなお礼の電話が入った。「初めて電話したころは自分自身も混乱していた。それなのに、何遍かけても、じっと聴いてくれてうれしかった」「周囲のひとからは、気の持ちようとか考え過ぎだといさめられた。ここで初めて、批判せずに聴いてくれるひとに会えた」

  ある年末、中年とみられる男性会社員は出世競争に悩んで将来を悲観していた。「もう、先がない」。切る間際、「話を聴いてもらえるだけで、こんなにほっとするもんなんですね。また、かけていいですか」と尋ねられた。

  つながってすぐ、切ろうとした高齢女性もいた。「なかなかつながらなくて、つらいひとがたくさんいるんだと分かりました。こうして電話の向こうに、待ってくれているひとがいると確認できただけで安心です。どうぞ、ほかのひとに回してあげてください」

  あるベテラン相談員は「かけてきてくれたひとのささやかな一言で、こちらも支えられる。心が通じ合ったと思える瞬間の積み重ねで続けてこられた」と話す。

  ただ、20〜30人前後で推移していた認定者数は、ここ数年、10人前後に落ち込んでいるのが現状だ。

  応募資格は23〜62歳で、約1年間の養成講座(7万円)に参加できるひと。応募書類は20日の消印有効。問い合わせは事務局(045・333・6163)へ。

  また、「川崎いのちの電話」でも、相談員になるための基礎講座の参加者を募っている。23日の消印有効。問い合わせは事務局(044・434・0253)へ。

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000000702140001