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2007年02月14日(水) 00時00分

06年の米貿易赤字、5年連続で過去最大朝日新聞

 米商務省が13日発表した06年の米貿易赤字は原油価格の上昇を背景に過去最大だった前年と比べ6.5%増の約7636億ドルを記録し、5年続けて過去最大を更新した。対日赤字も過去最大だった前年より7.2%増の約884億ドル。貿易摩擦が起きている中国とも赤字は15.4%増の約2325億ドルで、5年連続の最大更新となった。

 対日赤字は700億ドル超が3年続き、米国では不振の自動車業界を中心に「円安による人為的な輸出促進」との批判が目立ち始めている。中国は貿易相手国としてカナダに次ぐ2位で、赤字は米全体の31%を占め、10年前の5.9倍に急増。日本はそれぞれ12%、1.9倍にとどまり、いまのところ中国が批判の矢面にたっているが、不満が強まる可能性もある。

 巨額の赤字は増勢が鈍化しているものの、米国が身の丈を上回る勢いで消費を続けてきた実態を反映し、財政赤字と並んで世界経済の波乱要因といわれる国際不均衡の象徴だ。米国の旺盛な外需は世界経済を浮揚させる効果があるが、赤字膨張が米経済への先行き不安やドル急落を招く懸念もある。赤字減には米国の貯蓄増が必要とされるが、中国や日本など黒字国の内需拡大や為替レートの上昇が不可欠との認識が議会に目立っている。

http://mytown.asahi.com/usa/news.php?k_id=49000000702140004