記事登録
2007年02月14日(水) 20時17分

パチンコ「梁山泊」を捜索、株価不正操作の容疑で読売新聞

 パチンコの攻略本などで知られる娯楽情報提供会社「梁山泊(りょうざんぱく)」(大阪市西区)やグループ会社の幹部ら数十人が、大証ヘラクレス上場のIT関連会社「ビーマップ」(東京都文京区)の株を仲間内で売買し、株価を不正につり上げた疑いが強まり、大阪府警捜査4課は14日、証券取引等監視委員会と合同で、梁山泊本社など数十か所を証券取引法違反(相場操縦)容疑で捜索した。

 府警は売買に複数の暴力団関係者が加わっていたことも確認しており、高値で株を売り抜け、利益を資金源にしていた可能性があるとみて、関係者から事情を聴く。

 調べでは、幹部らは共謀し、ビーマップ株の高騰を図るため、投資家らに取引が活況を呈しているように見せかけようと、2004年12月〜05年春、インターネット上で互いに示し合わせて同社株の売買を繰り返した疑いが持たれている。

 売り主と買い主が共謀し、同時期に同価格で売り注文と買い注文を出し合う取引は「なれ合い売買」と呼ばれ、投資家らを欺く行為として証取法で禁じられている。

 有価証券報告書などによると、ビーマップは02年1月、「ナスダック・ジャパン」(現ヘラクレス)に上場。一連の売買が始まった04年12月ごろの株価は一株8万円台だったが、取引の活発化に伴い急騰。さらにグループの出版会社「ビタミン愛」(大阪市西区)が株を買い集め、筆頭株主になった後の05年4月8日には53万3000円(終値)の最高値を記録した。

 民間調査会社によると、梁山泊は00年6月、パチンコ攻略情報の提供会社として設立。会員制サービスで業績を伸ばし、06年5月期の売上高は約63億円。府警によると、グループ会社は東京都や北海道などに数十社あるという。

 同社は読売新聞の取材に、「責任者がおらず、何もわからない」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070214it12.htm