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2007年02月14日(水) 01時46分

日興が再発防止策を発表、外部有識者で経営倫理委など読売新聞

 日興コーディアルグループは13日、不正会計問題の再発防止策として、外部の有識者らによる「経営倫理委員会」の新設や持ち株会社と子会社の取締役の兼職の原則的禁止などを含む組織改革策を発表した。

 桑島正治社長ら新経営陣が自浄能力をアピールすることで、顧客や市場の信任回復を図る狙いだ。ただ、日興はこれまでにも、社外取締役制度や委員会設置会社制度など、先進的な統治制度を導入してきていただけに、投資家の不信感一掃につながるかどうかはなお不透明だ。

 桑島社長は記者会見で、不正会計疑惑の原因について、「一部役員が複数の職責を担い、チェック機能が働かなかった」と述べ、一部の幹部に権限が集中したことが、不正を生み出す土壌となったとの認識を示した。また、旧経営陣に対する損害賠償請求について、2月末までに結論を出す方針を表明した。

 「経営倫理委員会」は、日興の外部から企業体質や経営風土をチェックし、取締役に助言する役割を担う。新設の「グループリスク管理部」や既存の監査委員会など、社内の管理・監査部門が委員会に報告を行う仕組みとした。

 内部管理の強化策としては、子会社の実態を調べる「内部統制室」を新設、この上に「グループ統制部門執行役」を置き、子会社などの法令違反をチェックする。監査部門の人員も現在の約100人から50人増員する方針を打ち出した。

 すでに日興には内部監査部や内部監査の担当執行役もいるが、木村一義会長は「重なるような組織を作ったのは、体制の不備を補ったため」と述べた。

 また、不正会計の舞台となった投資子会社「NPI」(日興プリンシパル・インベストメンツ)については、自己勘定で投資する事業モデルも含めて見直しを図る。桑島社長は会見で「上場維持に向けた最大限の努力をする」と述べ、今回の改革により東京証券取引所が検討している上場廃止を回避したい考えを強調した。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070213i115.htm