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2007年02月14日(水) 21時24分

一澤帆布の社長側が、前社長側に11億円の賠償求め提訴朝日新聞

 布地製かばんで知られる「一澤帆布(いちざわはんぷ)工業」(京都市東山区)の経営権をめぐる問題で、先代会長の長男、一澤信太郎氏(61)が現社長を務める同社が14日、3男で前社長の一澤信三郎氏(58)による「一澤帆布加工所」(同市左京区)の設立などで損害が生じたとして、同加工所などを相手取り、計約11億円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こした。

 訴状によると、信三郎氏が同加工所を05年3月に設立した後、同工業から持ち出したミシン類を返還していない▽休業を余儀なくされ、同工業が本来得られるべき利益が得られなくなった▽違法な役員報酬が払われていた——などと主張している。

 また、信太郎氏と4男の喜久夫氏(55)は同日、信三郎氏を相手取り、先代会長の遺産の法定相続分の返還など、計約2億2700万円の損害賠償を求める訴訟も同地裁に起こした。

 信三郎氏は「争いはすべて法的に解決済みだと考えている。無用の争いをしている場合ではなく、物づくりでお客さんの期待に応えたい」とのコメントを出した。

http://www.asahi.com/national/update/0214/OSK200702140060.html