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2007年02月14日(水) 14時39分

リンナイのISO再検討へ、認証機関へ調査依頼読売新聞

 製造した湯沸かし器で一酸化炭素(CO)中毒事故が相次いだガス機器最大手「リンナイ」(名古屋市)について、品質・環境管理の国際規格「ISO」の日本機関が、同規格の認証機関に対し、認証が適切かどうかの調査依頼を出していることが分かった。

 同社が現在取得している認証は、品質管理が「優良」とされるISO9001。同社をめぐっては、事故情報の集約が不十分だった実態が明らかになっており、調査依頼は、こうした点を問題視したためとみられる。

 スイスに本部を置く「国際標準化機構」が定めるISOは、品質管理や環境への配慮に関し、企業の取り組みが十分かどうかを判断する目安になっている。

 調査依頼を出した経済産業省所管の財団法人「日本適合性認定協会」によると、ISO9001は、設計段階で製品の安全性を確認していることや、製品のトラブルを会社として的確に把握し、品質向上に生かしていることなどが認証の条件。民間の認証機関「JIA—QAセンター」(東京)が、条件に適合するかどうかを審査し、認証する。

 海外でも事業展開しているリンナイは、1994年から翌年にかけて、本社と国内の全4工場で認証を受け、自社のホームページなどでも示している。

 しかし、今回の問題では、92年に東京で一家5人が死亡したCO中毒事故など、過去の事故に関する記録が当初見つからず、同社も「事故情報の収集が不十分だった」と認めている。また、湯沸かし器の危険性について、利用者への周知が十分ではなかった実態も明らかになっている。

 調査依頼は13日に出されており、同センターでは臨時審査を実施する見通し。その結果次第では、同センターが、「是正措置」により認証に適合しない部分の改善を求めたり、「認証の一時停止」によりISOの取得を対外的に示せなくさせる措置を取ったりする可能性もある。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070214i506.htm