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2007年02月14日(水) 11時24分

名古屋市大病院の感染症死訴訟、病院側の責任一部認める朝日新聞

 名古屋市立大学病院で生体肝移植手術を受けた長女(当時19)が感染症で死亡したのは、病院の衛生管理が不十分だったからだとして、岐阜県に住む両親が同大学に約1億600万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が14日、名古屋地裁であった。加藤幸雄裁判長(永野圧彦裁判長代読)は、計660万円の支払いを命じ、両親に治療費を負担する義務はないとした。

 加藤裁判長は「(感染症の原因は)院内感染でない可能性があり、病院の衛生管理にも不備はなかった」と判示。一方で、「感染症にかかった後、必要な検査を実施するのが遅かった」と病院側の責任の一部を認めた。

 判決によると、長女は02年9月、劇症肝炎治療のため同病院で生体肝移植手術を受けた後、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に感染していることが分かり、敗血症などを発症して11月に死亡した。

 同病院は「主張が受け入れられず、誠に遺憾。判決を検討し、適切に対応したい」としている。

http://www.asahi.com/national/update/0214/NGY200702140009.html