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2007年02月14日(水) 11時02分

アパホテル、大阪市内でも耐震強度不足朝日新聞

 アパグループが経営するホテルなどの耐震強度偽装問題で、大阪市は14日、同市阿倍野区の「アパホテル天王寺駅前」(地上14階、地下1階建て、181室)で耐震強度不足が見つかった、と発表した。1月に強度不足が発覚した京都市のホテル2棟と同様、田村水落設計事務所(富山市)の水落光男・1級建築士が構造設計を手がけていた。市は同グループに対し、是正計画の提出と補強工事などを指示した。

耐震強度不足が判明した「アパホテル天王寺駅前」=14日午前、大阪市阿倍野区で

 市によると、強度不足が見つかったのは同ホテル2階の梁(はり)2カ所で、建築基準法が求める耐震強度の約70%しかなかった。市側は「このまま放置すると、地震時に建物の下部が大きな損傷を被る恐れがある」と説明している。

 同ホテルは05年5月、民間検査会社の日本ERIが建築確認をした。アパグループの耐震偽装問題を受け、すでに3月から営業を停止する予定だったが、同日、急きょ休業することにした。

 水落建築士は14日午前、朝日新聞の取材に対し、「大阪市から連絡がないので詳細はわからないが、少なくとも梁の強度が70%程度しかないということはないと思う。見解が異なるのではないか」と話した。

 同グループの高層建築物をめぐっては、昨年6月に水落建築士が関与した埼玉、千葉両県のマンションで構造設計書の差し替えが発覚し、国土交通省が42物件のサンプル調査を自治体に要請。京都市のホテル2件でも耐震強度不足が見つかり、補強工事が実施される予定。

http://www.asahi.com/national/update/0214/OSK200702140008.html