記事登録
2007年02月14日(水) 08時49分

草津温泉街に防犯カメラ 読売新聞

町、置き引き抑止狙う

草津温泉の湯畑脇に設置された防犯カメラ(右上)。周辺は多くの観光客でにぎわう
 草津町が温泉街の湯畑脇に街頭防犯カメラ1基を設置し、2月から運用を始めた。街頭防犯カメラの設置は、県内では前橋など3市に続くもので、町村部では初。湯畑周辺では公衆浴場での置き引きなどの犯罪が増加傾向にあり、カメラ設置による犯罪抑止効果に期待が寄せられる一方で、慎重な運用を求める声も一部にある。

 町は昨年7月、犯罪の増加傾向を受け、町内の観光関係団体、警察、PTAを含めた設置検討委員会をつくり、場所や運用方法などについて検討を進めてきた。今回、国土交通省の「まちづくり交付金」補助も適用され、約200万円をかけて昨年末に工事を完了。2月1日から運用を始めた。

 県警生活安全企画課によると、県内での街灯防犯カメラは、2002年11月の前橋市による設置に始まり、高崎市(03年6月、県警設置)、太田市(04年4月、市設置)に続くもので、観光地の防犯を目的にしたのは初めてという。

 草津町が設置したのは、町内で最も歩行客が多い湯畑脇。解像度が高く、湯畑の両側の道を歩く人の顔の判読も可能という。受信した画像はプライバシー保護のため監視はせず、犯罪発生の場合にしか利用はしないと内規で定めている。設置を告知する看板も、湯畑脇の2か所に掲げた。

東京都から訪れた自営業の男性(72)が「やはり観光地は安心なことが重要で、行政の積極的な取り組みは歓迎」と話すなど、観光客には設置を評価する声が大半だが「『お忍び』で楽しみに来る人もいるだろうし、カメラに写されるのは複雑な気分」(栃木県の19歳の女子大学生)との声もある。

 町は、「歩きたくなる温泉街づくりのため、犯罪の抑止は重要。プライバシー保護には厳重に配慮したうえで、防犯意識の向上につなげたい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news001.htm