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2007年02月14日(水) 03時01分

CO中毒、「ハーマンプロ」製でも4件・10人被害読売新聞

 ガス機器最大手「リンナイ」製湯沸かし器で一酸化炭素(CO)中毒事故が相次いだ問題にからみ、大阪市の「ハーマンプロ」の製品でも、リンナイと同様に不完全燃焼防止装置の付いた小型湯沸かし器で、1996年から2005年にかけて4件のCO中毒事故が起き、計10人が中毒になっていたことがわかった。

 96年の事故は、同装置の限界をガス業界として認識するきっかけになったが、それを使用者に周知するなどの対策は講じられず、被害の拡大を招いた。

 経済産業省などによると、ハーマンプロ製品の事故としては、96年7月に札幌市の団地で小型湯沸かし器が不完全燃焼を起こし、夫婦と息子の3人がCO中毒になった。99年12月には兵庫県尼崎市で2人が中毒になる事故が発生。01年2月には札幌市の住宅で男女2人が軽い中毒になった。05年10月には大阪府枚方市で一家5人が体の不調を訴え、うち3人が入院した。

 96年の事故は、何度も再点火が繰り返されたことで、不完全燃焼防止装置が作動しなくなったことが原因だったとみられている。大阪ガスでは、ハーマン側からの情報を受け、他のガス会社とともに、リンナイなどに再点火防止装置を設置した機種の開発を打診。再点火を繰り返すと不完全燃焼防止装置が作動しなくなることが実験でも確認され、リンナイは99年12月に再点火防止装置付きの機種の販売を始めた。

 しかし、それ以前に発売された機器の利用者に、不完全燃焼防止装置の限界は周知されず、00年1月から今月にかけ、同装置付きのリンナイ製品で5件の事故が発生。ハーマンプロ製品でも事故が続いた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070214i101.htm?from=main1