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2007年02月14日(水) 00時00分

羽田空港再拡張 大田区、跡地取得目指す 東京新聞

 大田区は、羽田空港の再拡張事業によって生じる跡地の取得を目指すことを決めた。新年度予算で、区の「空港対策積立基金」に四十億円を積み増し、利用計画の具体化に乗り出す。この基金には、航空騒音などの地元対策費として国の外郭団体と航空会社が計約二十五億円を積み立ててきたが、同区自身が資金を積み増すのは初めて。基金は運用益を含め計約六十八億円になり、跡地利用の議論に弾みがつきそうだ。 (越守丈太郎)

 国土交通省は昨年十二月、同区と都に、同空港の拡張と国際化によって新たに利用できる空港跡地を約五十三ヘクタールと提案した。跡地は、京急線・東京モノレール天空橋駅周辺から国際線貨物ターミナル地区にかけての東西に広がる多摩川沿いで、二〇〇九年度開業予定の国際線ターミナルビル周辺も含まれる。

 区は、隣接する品川区や国、都とともに「羽田空港移転問題協議会」を設立して空港跡地に関する話し合いを続けている。今後は、国の提案への合意や、跡地利用の将来像、周辺環境の共同調査などについて検討する。

 すでに区は〇五年四月に、研究機関やアミューズメント施設、広域避難場所や水上交通ターミナルなどの建設を想定した「跡地利用計画案」を独自にまとめている。

 同基金は、空港発着時間の延長や便数増加に伴い、「空港周辺地域住民の生活環境と自然環境の保持、改善を図る」ことを目的に設立。運輸省(当時)の外郭団体「航空公害防止協会」(現・空港環境整備協会)と日本航空、全日空、日本エアシステム(当時)が一九九〇年度から九七年度まで、資金を積み立ててきた。

 区は今後、積み増す基金を活用して「跡地取得を含め、周辺環境の整備を進めたい」としている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070214/lcl_____tko_____000.shtml